第111章

田中尚哉は去っていった。

大島莉理はその場にしばらく立ち尽くしたまま、彼がどうしてあんなことを口にしたのか、どうしても腑に落ちなかった。

ふと顔を上げると、少し離れたところに中西恵子が立っていて、こちらを静かに見つめている。

胸の奥に、なんとも言えない違和感が湧いた。

先に口を開いたのは中西恵子だった。

「ねえ、どうして一人でここにいるの? 田中爺さんがね、ガーデンのお花がすごくきれいだって言ってたの。私も見に行きたいんだけど、一緒に来てくれない?」

一人で行けばいいのに。どうしてわざわざ私を――。そもそも私たち、そこまで親しいわけでもないはずだ。

頭の中ではあれこれ渦巻いたが...

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